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2023/12/14 (Thu) 17:44:21

『ラジオの歴史』こぼればなし⑦  投稿者高橋雄造

 曽田純夫さん(QQQ・中央無線社長)は,指南役・相談相手というだけで
なく,一部分『ラジオの歴史』の共著者のような存在でした.QQQのカタ
ログ類,TVK(テレビ部品技術研究会)の会則と会員名簿,同第一回議事録,
『NHKテレビだより』などの一次史料を提供して下さいました.日本アマ
チュア・テレビジョン研究会(JAT)の謄写版二色刷の会報も,曽田さんか
らいただいたものだったでしょうか.島田聡さんほか中央無線内外の技術者
関係取材にも,助言をいただきました.
 中央無線には島田さんほか腕利きの技術者が多数いて,梁山泊のようなと
ころだったそうです.同社はラジオ技術者のゆりかごの役割を果たしたわけ
です.同社は米国の情報も得ていました.創業社長曽田三郎氏は売り込みに
来るGIからいろいろ聞いて,欲しい物の取り寄せを依頼していたというこ
とです.曽田三郎氏は,会社を大きくする路線を取らなかった.このあたり
スターの佐藤氏とは対蹠的です.自社の技術力に自信があったからでしょう.
 二代目社長の純夫さんは三郎さんの甥御です.曽田純夫さんは大変率直な
方で,裏表がなく,会社の経営者にもこんな人がいるのかと感心しました.
 なお,“ラジオ技術者のゆりかご”と言えば山中無線電機もそうで,田山さ
ん,後出の西川儀市,望月冨昉も社員でした.おもてからは見えにくいので
すが,こういった貢献があってラジオ界が成り立ったのです.
 日立は真空管製造では後発であったので,中央無線に持ち込んで試用して
もらったそうです.QQQの技術力の高さが認識されていたのです.6U8の
不良があったとか,ブラウン管の蛍光膜が通電試験の一晩で剥がれ落ちたと
か,です.また,NECは,真空管のブランド力で東芝に及ばないので,ひ
たすらgm(相互コンダクタンス)を高くして――rp(内部抵抗)を下げて,
とも表現できる――評判を良くしようとしたと,曽田氏から聞きました.テ
レビ・チューナー用の4BQ7Aあたりでしょうか.
 

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